旧市街地の風情を残す町並み、空町

高山市内を南北に流れる宮川の東側に観光客で賑わう古い街並みがあります。この三町筋は今でも風情が残る旧商人町・町人町です。

「空町」は、その東側(地図では上方)の少し高台に広がる地域を総称する地名で、界隈の道は細くて一方通行が多く、昔ながらの長屋やいりくんだ横丁などで下町風の街並みです。

江戸時代の初頭、この飛騨を治めた初代金森氏長近公が城山に高山城を築城し、この「空町」に武家人町を配置しました。いわば空町は飛騨の一等地だったといえます。

空町の東山には金森6代縁の寺院が並び、禅宗寺院も多く歴史を感じる場所です。江名子川は旧高山城の外堀の役割を果たした川で、多くの小橋がかかり風情があります。お時間があればぜひゆっくり散策されることをお勧めします。



高山城のお堀だった江名子川

市街地から一段高いためか、空町の風はちょっと違う、などと高山の人は言います。蛇行した江名子川に架かる大小の橋は、国道の橋から、生活用の歩道橋まで、様々です。



山形県上山に移封された金森家六代の後、高山が幕府直轄の天領となり、不要となったお城は残念ながら取り壊されました。

写真は宗猷寺ですが高山城の立派な石垣を再現したものです。雲龍寺の鐘楼門も移築された物です。

空町では国内でも有数の規模を誇った山城、高山城のの名残を随所で楽しむことができます。